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要するに、グラドルがその実演つきレクチャーを通じて示しているのは、グラドルという生身の存在への欲望だとファン自身が思っているものも、実はバーチャルな記号への欲望にすぎないということである。それは、次章以降で述べていくように、もともとアイドルとファンの関係についての暗黙の前提だったのだが、グラドルは、そのことを身も蓋もなく白日の下にさらしてしまったのである。その意味で、グラドルの台頭は、アイドルと名のつく存在がさまざまな分野に生まれる日本社会のアイドル化の、最終段階を示している。
太田省一『アイドル進化論』p13-14